2023.02.02 重要

「バナナスライダー」の安全性について

2023年2月2日
株式会社コトブキ
代表取締役社長 深澤幸郎

 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 当社が2013年より製造並びに販売しておりますバナナスライダーについて、その安全性に関する見解や対処指針を迅速にご案内できず、各種メディアの報道等にもあるように、設置者・利用者の皆様に対して不安を与えてしまった事に関して深くお詫び申し上げます。

 当社は公共空間に置かれる遊具について、国内における安全に対する基準がなかった時代より海外で適用されている基準を含めた配慮すべき安全性への観点を参考としながら、以下の指針に基づき、様々な製品の開発を行ってまいりました。

1. 公共空間に設置される遊具は、それを利用する子どもに怪我や利用時の喧嘩等の一定の人的リスクがあることを前提としつつも、利用時に生涯にわたって影響を及ぼすような重篤な怪我をしないように最大限の配慮をしなくてはいけない

2. 同時に、子どもたちのもつ創造性は常に我々を超えることを念頭におき、安全性を担保するために、遊具の設置者や管理者、利用する子どもの保護者を含めた社会全体の理解・協力を一定程度期待するものとする

3. 上記の考えを満たした上で、子どもたちにとって最高に楽しい体験ができる遊具を世に送り出し続ける

 各種メディア等で報道がなされている本製品に関する安全性について、当社の見解は改めて以下の通りとなります。

1.遊具の安全に対する基本的な考え方

 一般社団法人日本公園施設業協会(JPFA)が定める『遊具の安全に関する規準』(以下、安全規準)に則り、遊具の安全性を考慮する際には、子どもの遊びに内在する危険性が遊びの価値のひとつであるという認識に立ち、危険性を以下の「リスク」と「ハザード」に区分して考えております。

リスク:
遊びの楽しみの要素で冒険や挑戦の対象となり、子どもの発達にとって必要な危険性であり、遊びの価値のひとつです。小さなリスクへの対応を経験することで、事故を未然に回避する能力を育むことに繋がるため、「必要な危険」と認識しております。

ハザード:
遊びが持っている冒険や挑戦といった遊びの価値とは関係ないところで事故を発生させるおそれのある危険性、または、子どもが予測できず、どのように対処すれば良いかの判断が不可能な危険性のことを指します。これらは「排除すべき危険」と認識しております。また、ハザードに関しては、国土交通省の定める「都市公園の遊具の安全確保の指針」に基づき実施される定期点検にて、発見された場合は速やかに除去されることが推奨されております。
このリスクの判断可否は利用者の年齢によってもその予見能力と対応能力が異なるため、本製品においては、製品リリース前に実際に数多くの子どもに体験をして頂き、そこでの利用方法・リスクの度合い等の検証を重ねた結果、対象年齢を6歳から12歳と設定しております。

2.本製品における開発設計における当社の考え

 当社は、安全規準に準拠した製品の設計・開発・製造を行っております。本製品についても、以下の規準に即した設計と対象年齢の児童による十分な滑降試験も重ね安全であることを実証しております。

1. 安全な滑り出しが出来るように滑り出し部分にフラットな座面を設け、しっかり腰掛けて安定した姿勢でひとりずつ順番に導けるような設計としております。

2. スライダーには側壁を設け、安全規準に則り、側壁が無い部分での落下高さを600mm以下とすることで安全である高さに抑える設計をしております。

3. 分岐点にぶつかって乗り越えた場合でも、対象年齢である6歳〜12歳の児童の平均的な身体モジュールを考慮し、落下高さが600mm超えるような高さから直接落下することはないように設計されております。
※その他の開発・設計に際して考慮した技術的な観点に関するより詳細な内容は当社広報までお問い合わせください。

3. 本製品の安全性についての配慮

 遊具を安全に利用頂くために、遊具には対象年齢を明示する表示を行うことになっております。しかし、貼付されたシールの破損やシール自体が視認できなくなってしまうケースを想定する必要があるため、それらに加えて注意喚起サインを滑り出しのパネル部に掲示しております。
 一方で、対象年齢未満の幼児(3歳〜6歳)が本製品を利用する場合も考慮する必要があります。対象年齢未満の幼児に関しては、滑り降りるコースを事前に選択することや、身体のバランスが取れず分岐部分に接触することも考えられるため、設置側としての注意喚起と共に管理者との協業のもと保護者の皆様や地域住民の方々への注意喚起が不可欠と考えております。


4.今後の当社の対応方針

 まず現行のバナナスライダーは納品時に分岐部分における落下も想定して、安全対策のセーフティーマットを設置することを推奨しております。
 また、本製品におけるインシデント・事故は、対象年齢未満の幼児によるものと報告されております。6歳以下の幼児においては、保護者の監視の下で遊具を利用する事が安全規準においても推奨されているため、一連の報告を踏まえ、当社では公園を利用される保護者の方々にも理解しやすく分かりやすいよう、以下の対処を全ての納入箇所に対して今月より順次実施いたします。

1. 滑り出し部のパネル外側に保護者向けの対象年齢と注意喚起のためのサインの掲示
2. 滑り出し部のパネル内側に利用者向けの注意喚起・滑り方サインの追加掲示
3. スライダー側壁の外側に注意喚起サインの掲示
4. 未設置の納入事例に対するセーフティーマットの設置推奨の啓蒙

さらに、当社ホームページやSNS等において遊具の安全な利用についての情報をお伝えするとともに、自治体や報道各位のご協力を仰ぎ、安全安心な公園遊具の利用推進に努めてまいります。

以上

本件に関する報道のお問い合わせ
株式会社コトブキ
マーケティング本部 マーケティングコミュニケーション課 担当:上條
Tel:070-2487-6528
E-mail:press@park.inc

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