芝生広場で生まれる日常の賑わい──COMMとつくる、人とまちのつながり
2025/03/10 大阪府枚方市
京阪流通システムズ様は、京阪グループの一員として、ショッピングセンターの運営・管理を通じて地域社会の発展に寄与する企業です。「くずはモール」「京阪モール」「京都タワーサンド」などの商業施設を運営し、地域の方々に豊かな生活環境を提供されています。
近年、商業施設の役割は大きく変化し、単に「モノ」を売るだけではなく、地域の皆さまが訪れる価値を創出することが求められています。京阪流通システムズ様は、商業の枠を超え、地域の暮らしや未来を見据えた新たな施設づくりに挑戦し、人と暮らしと社会を結ぶ場としての価値を高めています。
今回は京阪樟葉駅前広場に誕生した「ハピネスパーク KUZUHA グラススクエア」の整備に関わられた京阪流通システムズ 田中様に、広場への思いやコトブキのCOMMを選定していただいた理由をお伺いしました。
憩いの場へと変わる駅前広場──ハピネスパーク KUZUHA グラススクエアができるまで
Q.今回「ハピネスパーク KUZUHA グラススクエア」は、どのような目的や思いを持って整備されたのでしょうか?
田中様:芝生化する前の樟葉駅前広場では、イベント時には人が集まるものの、日常では人が通り過ぎるだけで、駅前好立地というポテンシャルを活かせずにいました。広場の芝生化を契機に「普段から人が集まり、憩える空間にしたい」という思いから、今回の整備を進めました。
具体的には、ファニチャーを配置し、くつろげる環境を整えるほか、MOPPSを追加することでより多様な過ごし方ができる場を提供したいと考えています。日常的に訪れたくなる、憩うことのできる空間を目指しています。
Q.広場の計画からオープンまでに、苦労したことや課題はありましたか?
田中様:この駅前広場を活用していきたいという話は、以前から枚方市に働きかけていました。しかし、ここはバスロータリーの横に位置していて、道路用地としての側面もあったため、活用には制約がありました。さらに、かつてあった噴水の跡が残り、地面がでこぼこしている状態でした。また、当時は鳩が多く、鳩による糞の問題もあり、誰も憩うような広場ではなかったんです。
※整備前の樟葉駅前
2022年5月に京阪ホールディングスと枚方市が包括連携協定を結んだことをきっかけに、駅前の環境整備とともに広場の活用についても共同で検討を進めました。芝生広場として整備することが決まりましたが、道路用地から完全に分離できなかったため、運営方法を工夫する必要がありました。
Q. どのようにして、道路用地でも広場として活用できるようにしたのでしょうか?
田中様:道路上でのイベント開催には制約がありましたが、「ほこみち制度」の活用により、柔軟な運営が可能となりました。
また、京阪だけでなく地域の方々の広場であるべきと考え、「樟葉駅前広場活性化協議会」を設立し、地元の金融機関や大学、地域で活動される方たちと連携して運営管理を進める体制を整えました。
Q. 憩う場所ではなかった駅前広場を、どのようにして憩いの場へと変えていったのでしょうか?
田中様:芝生化になる前に、実証実験として駅前広場でイベントを開催した際、数万人規模の来場者が集まるなど、広場自体にかなりのポテンシャルがあると感じていました。しかし、イベント時だけの賑わいではなく、日常的に賑わいを創出するためにどうしたらいいか?を検討しました。そこで、「COMM」や「MOPPS」を広場に展開し、日常的に憩える場づくりを目指しました。さらに、「COMM」の設置に合わせて、キッチンカーを誘致するなど、楽しめる仕組みを導入しました。
Q.ハピネスパーク KUZUHA グラススクエアは地域の人たちとってどのような存在になる、なったらいいと考えていますか?
田中様:日常的に憩える場所になってほしいですね。駅前広場で、これだけの広さを持つ天然芝の空間は全国でも珍しいと思います。普段から気軽に立ち寄れる場として親しまれることを目指しています。
Q.ハピネスパーク KUZUHA グラススクエアを今後どのように活用・発展させていきたいと考えていますか?
田中様:イベント時の集客も多く、樟葉駅は1日あたり4〜5万人が利用し、バスの乗降客も多い。くずはモールの来館者も含めると、非常に多くの人が行き交うエリアです。こうした立地を活かし、この地域でがんばっている飲食店や物販店の方々に広場を活用してもらい、地域のつながりを広げる場になれば嬉しいですね。
広場に最適なファニチャーとは?──COMM導入の決め手
Q.広場のファニチャーとして「COMM」を選ばれた理由を教えてください。
田中様:まず、芝生広場にマッチするデザインで、広場にある既存のベンチとも意匠が合うことが決め手でした。また、他の公園での導入事例もあり、可変性がある点も魅力的でした。種類や形状が豊富で、座る人によってレイアウトを変えられるのもいいですね。
Q.COMMをどのようなシーンで活用してほしいと考えていますか?
田中様:ちょっとした空き時間にくつろげる空間として使ってほしいですね。もちろん施設内の飲食店に入る選択肢もありますが・・・それとは別に、誰でも気軽に立ち寄れる場所があることが大切だと思っています。友達と話したり、一息ついたりする場として活用してもらえたら嬉しいです。
Q.移動可能なファニチャーを設置することで、どのようなメリットを感じていますか?
田中様:イベント時にレイアウトを自由に変えられるのが大きなメリットです。広場ではさまざまなイベントを行うため、その都度ファニチャーを移動させることで、より使いやすい空間を作ることができます。また、来場者自身が自由に動かせることで、より開かれた公共空間としての魅力も高まると感じています。
ファニチャー導入のその先へ──コトブキに期待すること
Q.コトブキの提案やサポートについて、どのような印象を持ちましたか?
田中様:コトブキ様は公共空間のファニチャーで多くの実績があり、進め方にも安心感がありました。専門的な知見をもとに、広場の環境に適した提案をしていただけたと思います。
Q. これからの広場づくりやファニチャーに関して、コトブキに期待することはありますか?
田中様:範疇外かもしれませんが、今回、何もなかった場所に芝生広場を作り、ファニチャーを設置することで、人が座り、滞留が生まれるという変化を実感しました。今後は、こうした空間の使われ方や人の流れの変化についての知見を蓄積し、他の広場づくりを考えている方々に共有してもらえると、取り組む側として心強いですね。
COMMとつくる、くつろぎと賑わいの広場
ハピネスパーク KUZUHA グラススクエアは、日常的に人々が集い、くつろげる場を目指して整備されました。その中で、可変性のあるファニチャー「COMM」は、広場の魅力を引き出す重要な要素のひとつとなっています。
自由にレイアウトを変えられるCOMMは、ちょっとした休憩や会話の場としてはもちろん、イベント時には空間を柔軟に活用できる点が大きな魅力です。実際に設置してすぐに滞留が生まれ、広場の使われ方が変わっていく様子を体感できました。 これからもCOMMがこの広場に馴染み、人々にとって心地よい場所を提供し続けることで、賑わいと憩いが共存する空間がさらに発展していくことを期待しています。
