ものづくりの現場 ー工場を歩きながら見えてくる風景

まちなかにあるベンチや、公園の遊具。
日々の風景の中に溶け込んでいるこれらの製品は、
どこで、どのようにつくられているのでしょうか。
ー訪れたのは、コトブキの製造拠点のひとつ、栃木県塩谷郡にある栃木工場。
ここでは、製品の製造から出荷まで、多くの工程を担っています。
街路や公園、公共施設など、屋外で長く使われる製品。
素材を加工し、組み立て、梱包して送り出す。
一つひとつの工程が積み重なり、人が憩い、集い、過ごす場へと届けられていきます。
完成した製品からは見えにくい、ものづくりの現場。
今回は工場の中を歩きながら、製品が出荷されるまでの流れをたどります。
工場に足を踏み入れると、まず目に入るのが敷地全体の案内図。
敷地面積は37,030㎡、甲子園球場ほぼ1個分の広さがあります。
案内図の中で、目を引いたのが赤い鳥居のマーク。
示されている方向へ進んでみると、
敷地の一角に、凛とした鳥居が建っていました。
ここに祀られているのは、稲荷神社。
商売繁盛を祈願するとともに、農業や諸産業の守護神として知られる神様です。
毎年2月には「初午祭(はつうまさい)」が行われ、
宮司さんを招いて、ものづくりの安全と繁栄を祈願します。

多くの人の手でつくられる製品が、無事に社会へ送り出されるようにという願いが、
この場所に込められています。
ものづくりの現場にふさわしい、静かなはじまりです。
工場の入口で出迎えてくれるのは、
かつて実際に遊具としてつくられた「アニマルスカルプチュア」のゴリラとコアラ。
少し違和感を感じるその姿は、ここが"遊具もつくる工場"であることを教えてくれます。
製造拠点でありながら、どこかユーモラス。
ものづくりの現場でありながら、遊び心を感じさせる入口です。
コトブキらしさが、垣間見える風景でもあります。
塗装工程を担うCAPP棟。
塗装前のベンチパーツが、整然と並び、順番を待っています。
塗装を終えたパーツは、上品な光沢をもち印象が変わります。
色味、艶、膜の厚み。
ひとつひとつ状態を確かめながら、丁寧に仕上げられています。
同じに見える仕上がりの裏側にあるのは、細かな確認と微調整の積み重ね。
長く使われることを想像しながら、次の工程へと手渡されていきます。
木材の加工場では、部材が一つひとつ形づくられていきます。
削り出し、面を取り、寸法を整える。
木は、同じように見えても表情や硬さが少しずつ違います。
その個体差と向き合いながら、屋外で長く使われる製品として仕立てていく。
自然素材を扱うからこそ求められる、丁寧な仕事が行われています。
ここでは、コトブキのメイン商品である「エフライン」の組み立て作業が行われています。
コトブキのオリジナル再生木材である「RekwoodⅡ」と塗装を終えた金物を組み合わせ、
全体のバランスや仕上がりを確認しながら、製品として完成させていきます。
遊具に欠かせないザイル(ロープ)も、この工場で加工・準備されています。
必要な長さにカットし、金物を取り付け、端部の処理やバリ取りを行い、
遊具のパーツへと仕立てられていきます。
強度や安全性はもちろん、実際に子どもが握り、体重をかけることを想定しながら、
一本一本、状態を確かめつつ丁寧に仕上げられています。
組み上がった製品は、丁寧に梱包され、出荷を待ちます。
工場の中で重ねられてきた工程は、ここでひとつの区切りを迎えます。
この場所を離れたあと、製品は公園や街の中へ。
人が集い、過ごす空間の一部として設置されていきます。
ヤードと呼ばれる工場内の広いスペースでは、
複合遊具の組み立てや試作、遊びの検証が行われています。
図面や部材だけでは見えにくい、実際のスケール感や動き。
現物を組み上げながら構造や納まりを確認し、製品としての完成度を高めていきます。
工場の中には、「つくるため」の設備だけでなく、製品を「確かめるため」の場もあります。
こうして形になっていく製品は、
どのようにして「安全」と「耐久」を担保しているのでしょうか。
次回は、工場内の品質保証部門にお話を伺います。
記事作成:マーケティング本部 藤嶋
