駅とともに歩んだコトブキのベンチ
―1960年代から現在まで、公共空間を支えつづけるものづくり―

人の流れがある場所には、いつもコトブキがあった
通勤、通学、旅の始まりと終わり。
日本中の駅には、毎日さまざまな人の「時間」が流れています。
そして、そのそばには"座る場所"があり、多くの駅でコトブキのベンチがその時間を支えてきました。
1964(昭和39)年。
東海道新幹線の開業に合わせ、コトブキのベンチが新幹線関連施設に採用されました。
大量輸送の時代を支えるために、ベンチに求められたのは頑丈で壊れにくく、誰にとっても使いやすいこと。
FRPを使用したコトブキのベンチは、当時としては先進的な素材として注目され、その耐久性とデザインが好評を得て、多くの駅へ広がっていきました。
駅のベンチの役割は、
この頃から変わらず受け継がれています。

今回撮影したJR東日本の駅のベンチ。
JR東日本では時刻表や案内表示、広告看板などの付帯設備をシステムユニット化し、設置場所のニーズに合わせて自由に組み替え可能なデザインにしています。
設置されている路線のカラーをあしらうことで、利用者へのアイキャッチになっています。
一見するとよくある駅のベンチですが、実はコトブキの"遊具づくりの技術"ともつながっています。

駅のベンチと、公園に設置された遊具。
一見すると用途も場所もまったく異なる二つの製品ですが、実は同じ「支柱」が使われています。
駅では、案内表示や広告、手すりなどを支え、公園では、子どもたちの成長や遊び方に合わせて遊びのアイテムを受け止めています。
使われるシーンは違っても、
「場に対応しながら、安全に長く使われ続ける」
そのための考え方は共通しています。
平日、親子が過ごす場所は違っていても、その時間を支える柱は同じです。
こうした共通の構造が生まれる背景には、コトブキが長年、駅や公園といった公共空間に向き合い続けてきた時間があります。
一本の柱に込められているのは、目立つデザインではなく、公共空間を長く支えるための、静かな工夫の積み重ねです。


いま、駅はさらに多様な役割へと変化しています。
買い物、飲食、観光拠点、ワークスペース。
駅で滞在する時間が増えることで、座る空間の重要性もより高まっています。
コトブキは、公共空間に向き合い続けてきた時間をベースに、安全・快適・景観の3つを大切にしながら、
これからの駅にふさわしいベンチを提供し続けています。

駅の風景をつくる、小さな"あたりまえ"の存在として
駅のベンチは、目立つ存在ではありません。
忙しなく流れる時間の中で、目に止まらない日もあるかもしれません。
しかし、ある時にふと「あってよかった」と思う存在です。
1964年から現在まで。そしてこれからも。
"公共空間のあたりまえ"を静かに支え続ける、それがコトブキのものづくりです。
記事作成:マーケティング本部 藤嶋

