概要
神戸の中心地三宮駅の南側、港へ向かう通りに誕生した、広い歩道空間と、憩えるベンチ。阪神・淡路大震災から二十年が経った2015年、神戸市は神戸らしさを表現した「BE KOBE」を掲げ、「人のために力を尽くす」、その理念はまちづくりにも通じています。神戸の街全体として、バス停、道路、公園、これらのエリアにベンチを積極的に整備する方針で、人を中心に据えたまちづくりを展開しています。
今回の事例では、神戸のモダンな街に合った意匠の異なるベンチが多数配置され、座の素材をひのきで揃えることで、全体の雰囲気を統一し、自然を感じるやわらかさを持たせています。通りに対して角度をつけた配置はにぎわいを演出し、様々な来訪者に対しても座りたいと思わせる場を提供しています。また、座った際に他者同士が見られていると感じないようにするとともに、新たなコミュニケーションが生まれるよう複数のベンチは内向きのレイアウトとなっています。
人が座った時にどう感じるか、まさに人を中心に据えた考えが息づいています。