座るだけで広がるまちの価値。ベンチの力を感じる風景5選
そこで人が集まり、会話が生まれ、安心できる風景が広がる。そんな変化を実現した5つの事例をご紹介します。
ベンチが生み出す“空間の力”をぜひご覧ください。
PICK UP
和歌山市 まちなか滞留スポット
通り過ぎるだけの場所を休憩スポットに
和歌山市の中心部には、これまで通り過ぎるだけのスペースとなっていた場所がありました。
そこで、買い物や観光に訪れた人が散策の途中で立ち寄り、ちょっと一息つけるようにとベンチやテーブルを設置。
歩道や川沿いなど空間と景観に合わせて導入されたストリートファニチャーに
市民や観光客が気軽に腰を下ろし、会話を楽しんだり休憩したりする光景が広がり、街にやさしい賑わいを生み出す場として親しまれています。
所在地:和歌山県和歌山市
キング スカイフロント
研究拠点にオアシス的な憩いの空間を
川崎市殿町に広がる『キング スカイフロント』は、健康・医療・福祉・環境といった分野で世界最高水準の研究開発が行われ、新産業を生み出す拠点として注目されています。約40haに及ぶ広大なエリアの入口には、テーブルとベンチが一体となった「カーヴ」や、気軽に腰かけられる「サポーター」を配置。仕事の合間の気分転換や研究者同士の交流を目的としたポケットパークが整えられました。今では立ち止まって会話を交わしたり、ひと息ついたりと、研究都市の中にやさしい憩いの空間が広がっています。
所在地:神奈川県川崎市
金森赤レンガ倉庫
歴史的景観に寄り添う佇まい
函館を代表する観光スポット・金森赤レンガ倉庫は、異国情緒ただよう街並みが今も人々を魅了し、憩いの場として親しまれています。
その周辺の歩道には、散策の途中でゆったり過ごせるようクラシカルなデザインのベンチ「ヌーボー」を設置。
柔らかな曲線や落ち着いた風合いが景観に溶け込み、歴史ある街並みに調和しています。さらに脚や肘には錆に強いアルミ合金鋳物を採用し、美しさと耐久性を兼ね備えたベンチとして、多くの来訪者のくつろぎを支えています。
所在地:北海道函館市
万博記念公園
庭園らしさを損なわない散策の休憩所
万博記念公園の日本庭園は、大阪万博の政府出展施設として日本の造園技術を結集してつくられた名園です。近代建築が立ち並ぶパビリオン群と対照的に、自然と緑に包まれた憩いの場として来場者を迎えてきました。今も豊かな樹木や水辺が広がり、訪れる人にゆったりとした時間を届けています。複数人で腰掛けられる縁台や、テーブルセットも加わりより快適にやすめるように改修。今では、庭園の散策の合間に、それぞれのスタイルで休憩時間を楽しめる空間として親しまれています。
所在地:大阪府吹田市
芦原温泉駅 西口交通広場
来訪者を駅前広場からおもてなしができる空間へ
北陸新幹線の金沢~敦賀間の延伸に合わせ、福井県の北の玄関口となるJR芦原温泉駅周辺では、まちづくりの一環として駅前整備が進められました。2022年4月には、西口に路線バスやタクシー、旅館の送迎バス、一般車が集まる交通広場が完成。訪れる人々を迎え、送り出すこの空間に、移動の合間にひと息ついていただけるよう、街の風合いとマッチした和風テイストのベンチと案内サインを配置しました。ルートを確認したり、バスの待合い時に談笑をしたりと次の出発を待つ人々と地元の人々が交じり合い、駅前に温かみのある雰囲気が生まれています。
所在地:福井県あわら市
